■古本屋はなにを基準に本の値段を決めるのか
従来、古本屋の店員は、「本が好きでなければ務まらない職業」とされてきました。たとえば、お客さんが本を売りたいと持ち込んできたときに、適正価格で買い取るためには、それなりの知識と経験が必要になります。
そして、その知識と経験はそれぞれの古本屋によって異なります(もちろん相場というのは存在するが)。古本屋が本の価値を見定める際の基準は、状態の美しさではありません。誰が書いたか、そんな内容の本か、発行されたのはいつか。そのような趣味的な価値解釈によって、古本の値段は決められます。明治時代の文献に詳しい人もいれば、ノンフィクションに造詣の深い人もいる。つまり、自分が持てるかぎりの本に関する知識を総動員して、古本屋は本の価値を見きわめるのです。
だからこそ昔ながらの古本屋では、同じ本でも店によって値段が違うという現象が起こってくるのです。
■古本の概念を変えた中古本屋の買取システム
ブックオフに代表される「中古本屋」には、従来の古本屋のようなあいまいな買取基準はありません。本を買い取るうえで、もっとも重視されるのは、本がきれいな状態か否か。これは、どんなに偉大な文豪の著作にも、大量生産のベストセラー本にも、同等に適用されます。
つまり、本の中身を念頭におかない買取方法であるために、アルバイトでも簡単に値付けすることができるのです。このような買取システムの簡略化、マニュアル化は、別項(★リンク:「中古本屋とはどういうものか」★)でも指摘したように、古本産業というおおよそ現代的でない、古くさい商売までもマクドナルド的な大量消費ビジネスの雛型に押し込めようとする意味で、すぐれて現代的な現象といえるでしょう。また、同じ本がひとつの店に大量にストックされている場合には、若干安い値段で買い取られることもあります。
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